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麻苧の滝(祖滝、父滝、母滝、自行滝、子滝、孫滝)

案内板

最初に登場する案内板

群馬県碓氷郡松井田町にある、碓氷川にそそぐ渓流沿いに、滝群があります。短い距離のなか渓流沿いに多くの滝を見ることができる、滝好きにはオイシイスポットです。
私が訪れた時は小雨の降る春先でした。あいにくの雨模様も、滝にとっては水量が増す絶好の滝日和ともとれます。駐車場に車を止め、いざスタート!まずは案内板があります。これを見ただけでも7つもの滝があることがわかります。目指すは一番立派な滝、父滝(麻苧の滝)。案内板から碓氷川を渡ると正面に、銭洗い弁天様の池が登場します。池の対岸の岩陰には小さな鳥居が。弁天様がいらっしゃるのでしょう。すでに神秘的な雰囲気を漂わせています。弁天様の左側から階段が登っています。この先が渓流沿いに歩くコースです。が、その前に。階段よりさらに左側に階段上からの渓流が碓氷川に流れ込んでいます。これが既に滝の形。…案内板から解釈すると少々わかりづらいですが、たぶんこれが孫滝…かな?

案内板

孫滝 滝沿いから落ちる姿が見られる

なだらかは岩肌を滑り落ちるように静かに流れています。水も透明感があって綺麗。勢いのある流れではないので滝壺らしきものもありませんが、流れ込む先は豊かに湛える水が美しい。この滝は、滝沿いに傾斜を登ることができるので、真横からその流れを見ることができます。真横から見ると、緩やかな傾斜を流れ落ちているのがわかります。また、横から見るとわかりづいらいですが、下に降りて正面から見ると割と高さがあるのがわかります。さまざまな角度から見れていろいろな表情が堪能できる滝です。

子滝

子滝

さて、いよいよ渓流沿いに登っていきます。登るといってもある程度は整備されているので道に迷うようなことはありません。しかし山道には変わりないのでスニーカー以上の装備はあった方がよさそうです。孫滝から10分ほど登り、道からちょっと外れて渓流を覗くと、奥に滝らしきものが見えています。…あれが子滝かな?かなり身を乗り出さなければ見えず、しかも両岸の岩がかぶさるようにせり出しているのではっきりと全貌が見えません。滝はねじれながら岩に見え隠れしています。もっと近くへ行けたらそのスケールもわかるのでしょうが、近づくのはちょっと無理そうです。遠距離からですがとても勢いはありそう。



自行滝

自行滝

滝があまりよく見えず少し残念な気持ちになりながら進むと5分も経たないうちに次の自行滝が姿を現しました。道の左側にあり、横から見る形になりますが、渓流まで降りられたので正面から堪能。高さはそれほどでもないですが、切り立った岩肌にその身を広げて勢いよく流れ落ちています。正面から見るとわかりますが、結構幅があり、流れが大きく2つに分かれているようにもみえます。雨の日だったので水量も多いのでしょうか。だんだん立派な滝になってきました。


母滝

母滝

自行滝から5分強。ごろごろ大きな岩が重なるその向こうに、滝が見えてきました。大きな岩の上には大黒様(?)らしき石像が鎮座しています。ここも神聖な場所のようです。滝は岩と岩の裂け目から細く長く落ちています。その繊細だけれどもまっすぐな姿はとても女性的。周りの岩々がとても大きく苔むしている中をたおやかに流れています。ここも岩が折り重なっていて全容を見ることが困難ですが、大きさからいって母滝に間違いないようです。




麻苧の滝

麻苧の滝(父滝)

さて、母滝からごろごろ大きな岩に囲まれた道を少し進むと、急に視界が開けます。道の先は吊橋。その正面には想像を超える父滝が!さすが、父とよばれるに相応しい。予想していたよりもずっと大きく、力強く流れています!両側からせりだす青々とした木々と相まって完成された絵のような情緒あふれる景色に感動です!写真ではこの風景の奥行やスケール、響き渡る水音がお伝えできないのが本当に残念です。実は私、ここに着く前、この滝にはあまり期待していませんでした。事前情報では水量が少ないと聞いていたし、見た写真ではこのスケールが伝わってこなかったのです。でも違いました…。私が悪うございました。良い意味でバッサリと期待を裏切られました。小雨の天気も功を奏したのかもしれません。また行った季節が新緑の季節だったからというのも理由としてあるのかもしれません。とにかく、素晴らしい滝でした!この滝、つり橋から見るのが全景が見えて一番絵になるのですが、渓流に降りられるのでもう少し近づくこともできます。近づくともう仰ぎ見るしかないので、そのスケールを体感できます。

母滝

祖滝…どーみても絶壁です

さらに奥に進むと道は行き止まり、岩壁から水が流れています。これが祖滝らしい。天気が雨にも関わらず、水量はそう多くないので、晴れた日だったら滝としてみられるのかも危ういのかもしれません。入り口にあった案内板によると、祖滝の奥にもう一つ滝があると書いてあったけど・・・どうみても行き止まり・・・が、祖滝にそって岩壁に鎖が打ってあります。・・・登るのが正解ルート??でも、結構な高さもあるし、ほぼ垂直の岩壁デスガ・・・。私は山登り初心者。いや、とてもこれを登るのは・・・と、躊躇していると、なんと上から人が来ました。熟年夫婦らしき2人組がロープを駆使して岩壁を降りようとしています。先に男性がロープを支え、ご婦人がロープを頼りにトライ。しかし足場もなく雨で濡れている岩壁に四苦八苦しているご様子。こちらもドキドキハラハラ見ていたけどとても降りられるもんじゃない。「大丈夫ですか?」と下から声をかけると、男性の方は「僕一人ならいけると思うんだけど女性にはちょっときついかも」とのこと。確かに、これを下るのは相当難儀でしょう。お二人は別の登山口から山にはいり、登山を楽しんでこのルートで下山してきたそうですが、とてもおりられないということで、別のルートで下山することに。滝を挟んでお別れしました。さて、こんな場面を見てしまったら私の方もあっさりあきらめがついて、元来た道を戻りました。 最後の鎖場にはびっくりしたけど祖滝までなら登山とまでも言わない山道だし、そう距離を歩かなくても多くの滝が楽しめるので、おすすめのルートです。特に父滝のスケールは圧巻なので是非1度足を運んでみてください。